抜型業というお仕事


★無限に広がる『 抜 型 』に求められる可能性!!


『「抜」+「型」』ではなく、『「抜」×「型」』!

私たちが作っている直接の商品は上の画像の様な「木の『抜型』」(金型などと区別して『木型』と呼ばれます)です。

その機能を短い言葉で表現すると、素材から必要部分を「型」に合わせて「抜」く為のものです。

非常にシンプルに聞こえるかと思いますが、実は作り手に求められる仕事は簡単・ワンパターンなものではありません!

多角的に求められるパッケージとしての可能性を常に意識し、それぞれに対して丁寧な仕事をする必要があるのです。

1.「型」に抜かれた最終製品に求められる可能性は多様であり、さらに変化を続けている

<活用分野の多様性>

  • 菓子・食品・嗜好品の化粧箱
  • 贈答用パーケージ
  • 玩具その他グッズ化粧箱
  • 紙製玩具・立体絵本・シール等
  • 化粧品パッケージ(紙製および樹脂製パッケージ)
  • 医薬品用箱
  • 段ボールパッケージ
  • 業務用運搬用箱
  • 販促用POPおよびそれに類するもの
  • その他ディスプレイ構成部品

 

<エンドユーザーに対する機能の多様性>

  • サイズ感(コンパクト性あるいはボリューム感)
  • 安全安定性(緩衝・ケガ防止など)
  • デザイン性(印刷との融合性・なめらか形状など)
  • 開封・組み立てやすさ 

<パッケージ生産工程(後工程)に対する配慮など>

  • 加工しやすさ(折り曲げ易さなど)
  • 安全性
  • 耐久性(ダイボード・刃材その他)
  • 工程での連続使用性(剥がれ易さ・カス取り易さなど生産性改善への協力)
  • メンテナンス性(迅速・短納期対応)
  • その他商品開発へのご協力(サンプル作成・ご提案など)

2.「抜く素材」も進化を続ける為、大きく要求仕様が変わっていく

例えば、基本の紙だけでも無数に種類がありますが、その他PET(ポリエチレンテレフタレート)・PP(ポリプロピレン)・PVC(ポリ塩化ビニル)などのプラスチック素材もかなりの比率があります。そしてそれぞれに様々な厚み・硬さのバリエーションが存在する為、それらに合わせて寸法や、抜型の作成仕様などを変えていかなければなりません。

3.相互に乗数的に多くの仕事を求めてくる(『抜型の5W1H』実現に向けて日々工夫)

クライアントに納品した段階では、木の板に刃が埋まっているという一見同じ様な見た目ですが、それを使用して生産される最終工程では、本当に様々な人々・場所・時・対象・用途・方法(5W1H)にて利用されて行きます。

この『抜型の5W1H』をしっかりと実現するには、シンプルな『木型』の見た目に隠された、色々な工夫・技術・時間・スピードそして気持ちが求められます。

目に見える以上に深遠で興味深く、思わずニヤリとする様な玄人好みの世界が広がっているのです!


★抜型で作られた物は、あなたも絶対に見て触れている!


身の回りを見渡してみてください・・・例えば、

 

・ご自宅お部屋の中で触れた事ございませんか?

[お菓子の箱・贈り物で頂いたタオルや石鹸の箱・化粧品が入っていたプラスチックの箱・薬の紙箱・たばこの箱など]

 

・スーパーやドラッグストアなどで見た事ございませんか?

[商品棚につけられた紙やプラスチックの商品PR用POP、段ボール素材でできたお勧め商品の独立陳列用棚POPなど]

 

・お仕事場で活用した事ございませんか?

[運搬用の段ボール製通い箱、クリアフォルダー(紙製・プラスチック製)、紙製文具など]

 

・さらに製品の部品としても!

[ iPhoneやその他携帯電話の液晶画面など]

 

平面素材(2D)から加工成形して立体状態(3D)で利用する物で、ある程度量産されている物の背景には何らかの『抜型』が直接・間接的に関わっているはずです。弊社のこれまでの実績だけでも延べ約500万(2020年12月現在)の『抜型』が、様々なクライアント様の商品のパッケージ製作に利用され、皆様にご提供されてきました。


★古くて新しい業界!?


木型という分野に絞ったとしましても、およそパッケージという概念がある限り存在してきた業界です。

同業の中には50年以上の歴史を持つ会社もあり、それ以前も含めますと、非常に歴史のある業界といえます。

とはいえ、用途が広く人々の生活や商業・工業活動に関わっており、現在進行形でそれらの活動が営まれ、変化・進化している事から、業界も今後変化を続けていくことは間違いありません。

例えば、現在の情報通信技術との融合により、人々や企業のパッケージの利用の仕方が大きく変わる、あるいは新しい使い方が加わる事も十分考えられます。

その機能付加の役割を『抜型の段階で担う』という事も考えられますし、あるいは独立してクライアントに提供する商品・サービスが生まれるかもしれません。

その様な意味合いからも、私たちの業界も現在進行形で進化し、新しく生まれ変わっていく事は間違いないのです。