私たちが作っている直接の商品は上の画像の様な「木の『抜型』」(金型などと区別して『木型』と呼ばれます)です。
その機能を短い言葉で表現すると、素材から必要部分を「型」に合わせて「抜」く為のものです。
非常にシンプルに聞こえるかと思いますが、実は作り手に求められる仕事は簡単・ワンパターンなものではありません!
多角的に求められるパッケージとしての可能性を常に意識し、それぞれに対して丁寧な仕事をする必要があるのです。
<活用分野の多様性>
<エンドユーザーに対する機能の多様性>
<パッケージ生産工程(後工程)に対する配慮など>
例えば、基本の紙だけでも無数に種類がありますが、その他PET(ポリエチレンテレフタレート)・PP(ポリプロピレン)・PVC(ポリ塩化ビニル)などのプラスチック素材もかなりの比率があります。そしてそれぞれに様々な厚み・硬さのバリエーションが存在する為、それらに合わせて寸法や、抜型の作成仕様などを変えていかなければなりません。
クライアントに納品した段階では、木の板に刃が埋まっているという一見同じ様な見た目ですが、それを使用して生産される最終工程では、本当に様々な人々・場所・時・対象・用途・方法(5W1H)にて利用されて行きます。
この『抜型の5W1H』をしっかりと実現するには、シンプルな『木型』の見た目に隠された、色々な工夫・技術・時間・スピードそして気持ちが求められます。
目に見える以上に深遠で興味深く、思わずニヤリとする様な玄人好みの世界が広がっているのです!
身の回りを見渡してみてください・・・例えば、
・ご自宅お部屋の中で触れた事ございませんか?
[お菓子の箱・贈り物で頂いたタオルや石鹸の箱・化粧品が入っていたプラスチックの箱・薬の紙箱・たばこの箱など]
・スーパーやドラッグストアなどで見た事ございませんか?
[商品棚につけられた紙やプラスチックの商品PR用POP、段ボール素材でできたお勧め商品の独立陳列用棚POPなど]
・お仕事場で活用した事ございませんか?
[運搬用の段ボール製通い箱、クリアフォルダー(紙製・プラスチック製)、紙製文具など]
・さらに製品の部品としても!
[ iPhoneやその他携帯電話の液晶画面など]
→平面素材(2D)から加工成形して立体状態(3D)で利用する物で、ある程度量産されている物の背景には何らかの『抜型』が直接・間接的に関わっているはずです。弊社のこれまでの実績だけでも延べ約500万(2020年12月現在)の『抜型』が、様々なクライアント様の商品のパッケージ製作に利用され、皆様にご提供されてきました。
木型という分野に絞ったとしましても、およそパッケージという概念がある限り存在してきた業界です。
同業の中には50年以上の歴史を持つ会社もあり、それ以前も含めますと、非常に歴史のある業界といえます。
とはいえ、用途が広く人々の生活や商業・工業活動に関わっており、現在進行形でそれらの活動が営まれ、変化・進化している事から、業界も今後変化を続けていくことは間違いありません。
例えば、現在の情報通信技術との融合により、人々や企業のパッケージの利用の仕方が大きく変わる、あるいは新しい使い方が加わる事も十分考えられます。
その機能付加の役割を『抜型の段階で担う』という事も考えられますし、あるいは独立してクライアントに提供する商品・サービスが生まれるかもしれません。
その様な意味合いからも、私たちの業界も現在進行形で進化し、新しく生まれ変わっていく事は間違いないのです。